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January 20, 2007
ウチとソト
●仕事が忙しくなってくると、ほんとに書かなくなってしまう…。
●最近自宅の近所で兄妹間のバラバラ殺人が、事務所の近所で夫婦間のバラバラ殺人があった。
●もちろん陰惨で考えさせられる事件だけど、ここで言いたいのはそういうことじゃない。
●こういう話を他人にするときはよく、「うちの近所でさあ…」と始めることが多い。
●ふと思ったのだけど、この「ウチ」ってなんだろう。
●いや、この場合は「家」って意味だけど、「うちら」とか「うちの近所」とかって、どこからどこまでが「ウチ」なのか。
●この事件の現場もそんなに離れておらず、実際歩いて30分、僕はそれを通っている。
●事件が片方のみで起こった場合でも、僕は「うちの近所」と言うのだろうか?
●家庭内、町内、区内、市内、県内、色々な範囲の「ウチ」がある。
●エドワード・ホールの言う、文化的距離感覚によってそれは定義されているのかもしれないけど、それにしても曖昧だ。
●もうひとつ言えることは、「ソト」を作ったことによって、「ウチ」が生まれたかもしれない、ということだ。
●外側のシンボルを設け境界をひくことで、内側になる。
●西洋だと、それは「悪」だったり、キリスト教からみたイスラム教だったりするわけで、二元化されて完全に排除の対象だったようだ。
●自分以外、自分たち以外があることではじめて、自分がある、とも言える。
●だからやっぱり「ソト」は排除すべきじゃない。
●折口信夫の「マレビト」のように、定期的に歓迎しなくては、「ウチ」の存在はどんどん薄いものになっていくんだろうな。
●そうそう、日本は「ソト」を受け入れるんだよな。喜んで。そんなところがある気がする。
●全く自分とは関係のないもの、と思っているものが、違う次元に引き上げてくれるのかも。
投稿者 mikandesign : January 20, 2007 12:50 AM